製造から小売まで一貫した独自のビジネスモデル
プロゴス社:貴社のグローバル展開や、海外での事業内容について教えてください。
戸川様:ニトリグループは、積極的にグローバル展開を進めています。台湾、中国大陸、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、韓国、香港など、アジア各国・地域で店舗を展開してきました。さらに近年では、フィリピン、インドネシア、インドといった新しい市場にも進出しています。より多くのお客様にニトリの商品やサービスをお届けできることを嬉しく思っています。
海外事業は店舗だけではありません。製造や物流も自社で行っております。ベトナムの自社工場「ニトリファニチャー」では、家具や寝具、カーテンの生産を行っており、タイの「サイアムニトリ」ではカーペットやラグの一貫製造体制を確立しています。
加えて、東南アジア・南アジア地域ではサプライチェーンマネジメントを担うNTI、中国大陸では商社・物流機能を担うNTLが連携し、商品開発支援、品質管理、貿易・物流、卸事業など幅広い業務を展開しています。
今後も、国内外を問わず一人ひとりのお客様の日常に寄り添い、より身近な存在として、世界中の皆様に暮らしの豊かさを提供できるよう挑戦し続けてまいります。
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多角的な視点から選ばれる多様な人材
プロゴス社:ニトリ大学に代表されるように、貴社は人材育成に力を入れていらっしゃいます。海外展開を支える人材は、どのように募集、育成していらっしゃるのでしょうか?
戸川様:社内公募を通じてグローバルに活躍したい社員を積極的に募集しています。年齢やキャリアに関係なく、若手からベテランまで、これまで培ってきた経験やスキル、そして潜在的な能力を活かして海外勤務に挑戦できるチャンスがあることは、ニトリグループならではの特徴です。
海外拠点を支える人材の選抜にあたっては、国内での成果や仕事への取り組み方を評価するだけでなく、問題解決能力や、ニトリグループが重視する4C(Change=変化、Challenge=挑戦、Competition=競争、Communication=コミュニケーション)という行動特性も大切にしています。もちろん客観的な語学力も重要です。多角的な視点で、社員一人ひとりの強みや個性を最大限に活かせるフィールドを用意し、世界で活躍できる環境づくりに取り組んでいます。
海外派遣人材に共通して求められるスキル
プロゴス社:海外に派遣される方は、現地ではどんな役割を担うのでしょうか? またどんな職種にも共通して必要なスキルはありますか?
戸川様:海外へ派遣される社員は、現地法人の運営や現地スタッフとの協働を通じて、グローバル戦略の実現を担う重要な役割を果たしています。具体的には、現地の市場ニーズを把握して自社商品に反映させること、現地スタッフとの信頼関係の構築、業務推進や新たな仕組みの構築などです。
これらを実現するために重視されるスキルは5つあります。
まず、現地スタッフの文化的背景を理解し、目指す方向へ導く「求心力」。次に、海外と日本の架け橋となり、課題解決や仕組み構築を進める「推進力」。また、現地スタッフと積極的にコミュニケーションをとり、相手の立場や文化を理解しようとする「誠実性」も不可欠です。加えて、現地化を推進するために業務内容を明確に指南できる「指導力」、そして自ら経験や知識を吸収し、成長し続ける「向上心」が求められます。
これら5つの力を備えることが、海外赴任者として活躍するためには重要です。
語学力については、業務に支障がないレベルが求められますが、単なる言語スキル以上に、現地の文化や価値観を理解し、信頼関係を築くことが重要だと考えています。ニトリグループでは、グローバル人材育成研修や語学学習のサポートを行うことで、社員が安心して海外で挑戦できる環境づくりに取り組んでいます
得られたスキルは今後のキャリアにも有用
プロゴス社:上記の力を身につけてもらうため、どのような研修を実施していらっしゃいますか?
戸川様:ニトリグループでは、国内外で活躍できるグローバル人材の育成に力を入れており、さまざまな研修プログラムを体系的に展開しています。
まず、グローバル人材育成研修では、海外で活躍するために必要な基礎知識やスキルを身につけていきます。異文化対応力や現地の文化・価値観の理解力、分析力、コミュニケーション能力などを養う内容です。
語学面については、社員一人ひとりのニーズに合わせて、基礎力や会話力向上のための講座を柔軟に提供しています。リスニング力やリーディング力を測る試験に加えて、スピーキング力を評価するためにPROGOS受験も導入しています。
さらに、海外での実務研修も教育体系に組み込まれており、現地での業務を通じてマネジメントスキルやオペレーションスキルを実践的に習得します。現地スタッフとの協働や課題解決力、業務推進力を身につける短期集中型プログラムとなっており、実際の業務経験を通じて実践的なスキルを磨きます。
こうした多面的な研修プログラムを通じて得られる知識やスキルは、グローバル人材としてだけでなく、今後のキャリア形成にも欠かせないものです。ニトリグループでは、社員が自社の理念を体現し、世界中で活躍できる人材へ成長できるよう、今後も研修内容の充実を図ってまいります。
グローバル企業としての共通マインドの醸成
プロゴス社:今後、強化したり、広げていきたいグローバル人材の育成領域がありましたらお話しいただけますか?
戸川様:海外展開の加速に伴い、国内外を問わずグローバルな視点を持つ人材の育成がこれまで以上に重要になってきています。実際、国内拠点にいながら海外との商談や社内会議を行う部署も増えており、多様な国や地域にルーツを持つ社員の入社も年々増加しています。こうした背景から、グローバル企業としての共通マインドの醸成も、今後さらに強化していきたいと考えています。
また、出店地域の拡大に伴い、海外で求められるスキルにも変化が見られます。従来から重要視してきた異文化理解やコミュニケーション力、語学力といった基礎知識に加え、今後は、海外事業をさらに推進するために、問題解決力や課題推進力の強化にも力を入れていきたいと考えています。
さらに、ナショナルスタッフへの教育も、国内同様に重要な課題です。現地法人との連携を強化しながら、グローバルに活躍できるスペシャリストの育成にも努めてまいります。
今後は、これらの領域を強化・拡大することで、社員一人ひとりがグローバルな環境で活躍し、ニトリグループのさらなる成長につなげていきます。
PROGOSテストの活用で前向きな成長を実感
プロゴス社:グローバル人材研修の前後でプロゴスを受けていただいていますが、どのようにご活用いただいているのでしょうか?
戸川様:ニトリグループでは、グローバル人材育成研修の受講前後にPROGOSを活用しています。研修開始前に受験することで、社員一人ひとりの英語力やスピーキング力、そして弱点・強みを客観的に把握し、研修終了後に再度受験することで語学力の向上度や研修効果を定量的に測定しています。このプロセスによって、社員自身が短期間での成長を実感できるため、学習へのモチベーション向上にもつながっています。
PROGOSは、従来のリスニングやリーディングテストでは測ることが難しかった「スピーキング力」を、CEFR準拠という国際基準で定量的に評価できる点が特長です。流暢性や語彙、発音、やりとりなど、実際のコミュニケーションに必要な能力を細かく測定できるため、個々の弱点を把握し、学習計画に反映することで、より効果的な個別最適化が可能となっています。
今後もPROGOSを積極的に活用し、社員一人ひとりの成長を促進するとともに、グローバル市場で活躍できる人材の育成に努めてまいります。
プロゴス社:受験者様の反応はいかがでしょう?
戸川様:PROGOSの受験を通じて、社員のスピーキング力向上への関心が高まり、英語学習への取り組み方にも新たな変化が生まれています。従来はリスニングやリーディング力を測る指標が中心で、「文法は分かるけれど話すのは苦手」「スピーキング力を伸ばすにはどうすれば良いか分からない」といった声も多くありました。
PROGOSの導入によって、英語スピーキング力がCEFRレベルや発音、語彙、流暢さなど具体的な指標で客観的に可視化できるようになり、社員一人ひとりが自身の現状や弱点を把握できるようになりました。その結果、「どこをどのように伸ばせばよいのか」が分かり、学習の方向性が定まり、モチベーションの向上にもつながっています。実際に、「表現の幅は得意だが、流暢さを伸ばしたい」といった、より具体的なアドバイスを求める社員も増えています。
また、場所を問わず受験できるうえ、受験時間も約20分と短く、結果もすぐに返ってくるため、多忙な社員でも気軽に受験できる点が好評です。「テストを受けることで英語を話すことへの抵抗感がなくなった」「英語で話すことが楽しくなった」といった前向きな変化も多く見られます。AIによる自動採点も安心感につながっており、人前で話すのが苦手な社員でも受験しやすい環境が整っています。
なかには、グローバル人材育成研修終了後も自己学習を続け、半年間でA1 HighからB1レベルへ到達した社員もいます。スコアの変化が自信につながったという声もありました。
このように、社員一人ひとりが具体的な成長や前向きな変化を実感できていることが、私たちにとってとても喜ばしいことです。今後もPROGOSを活用し、社員の成長をしっかり後押ししていきたいと考えています。
社員一人ひとりが自分自身の人生の主役
プロゴス社:社員の皆様には、グローバルでどんなキャリアを展開してほしいとお考えですか?
戸川様:ニトリグループでは、グローバルでのキャリアをゴールと捉えるのではなく、グローバルでの経験や海外出向はキャリアを広げる重要な機会と位置づけています。そのため、国内外問わず、どのような環境でも活躍ができる人材の育成を目指しています。
グローバルでの経験を通じて、実践力を高め、成長し続けることが重要だと考えています。ニトリグループが求めるのは、どの部署や国・地域でも成果を出し、リーダーシップを発揮できる「強いリーダー」、そして経営者視点を持つ人材です。経営者の役割は、未来を創造し、従業員や社会に責任を果たし、道徳や倫理観を持って利益を出し続けることだと捉えています。これは国内外を問わず、普遍的に求められる姿勢です。
また、グローバル展開を加速する中で、世界で通用する高い専門性を持ち、製造・物流・IT・小売などの各機能を横断的に理解し、変革を推進できる人材の育成が不可欠です。数字などで測れる「形式的価値」だけでなく、リーダーシップや感性といった目には見えない「意味的価値」とのバランスを持った人材こそが、今後の成長の鍵だと考えています。
私たちは、正解のない変化の時代(BANIの時代)において、感受性や適応力、内省力を持ち、挑戦し続ける人材を大切に育む企業文化の醸成に努めています。グローバルで活躍することだけがゴールではなく、社員一人ひとりが自身を人生の主役として、希望するキャリアを実現できる企業文化づくりを目指しています。








