派遣登録者のキャリア相談から仕事紹介まで伴走
プロゴス社
貴社では「人財躍動化」をビジョンに掲げ、派遣登録者への教育投資や長期的キャリア形成支援に取り組まれ、リスキリング支援にも注力されています。キャンディデート・キャリアプランニング部にてその取組を担っているとのことですが、どのような背景から行われているのでしょうか。
小久保様
Adeccoは、人財サービスのグローバルリーダーであるAdecco Groupの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社の人財派遣およびアウトソーシング事業のブランドです。キャンディデート・キャリアプランニング部は人財派遣事業を行っている事業部に所属しています。
人財派遣という分野において、派遣登録者の方は複数の会社に登録していることが多いので、「Adeccoの派遣社員として働きたい」と思ってもらえることを目指しています。そのために派遣登録者の方との関係構築と価値提供を行っており、派遣登録者の方のスキルアップもサポートしています。また、派遣登録者の方の登録情報を整備して求人とのマッチングに活用しています。
スキルアップサポートについて具体的には、オンライン・オフラインでのセミナーやEラーニングなどを提供しており、PROGOSはそのなかのひとつとなっています。
売り手市場の今、求職者にとって大切なのは「自分を大切にしてくれる会社である」と感じてもらえることだと思います。そのためには「個人の希望に寄り添った仕事紹介」が必要です。当社では、登録者・派遣社員との関係づくりや登録情報の整備により、一人ひとりの強みを生かした仕事紹介を進めています。
AIの登場により求められる英語力は読み書きから会話へと変化
プロゴス社
直近の派遣登録者の方に求められるスキル要件の変化や、感じられているトレンドはありますか?
赤澤様
英語を使った仕事であれば、AIの登場により、従来の翻訳業務は大きく変化しています。これまでのように翻訳そのものを人が行うのではなく、AIによる自動翻訳を確認、添削する業務へと内容が移行しつつあります。
英語スキルについても、読み書きはツールに置き換わってきています。このため、読み書きよりも「英語で会話ができる力」がより重視されていくと感じています。また「英語ができて経理の知識もある」「英語で貿易事務の経験がある」といった、ただ「英語ができる」だけではなく、実務スキルとの掛け合わせによる付加価値が求められる傾向が強まっています。
PROGOSの導入によるリスキリングのきっかけ作り
プロゴス社
貴社では2022年より登録者のリスキリング施策としてPROGOSを導入し、継続的に運用されています。この取り組みについて教えてください。
小久保様
派遣登録者と派遣社員のリスキリングは私たちにとって重要なテーマであり、中心的な取り組みとして捉えております。このなかで、PROGOSは個別案内に加えて、すでに当社の派遣社員として勤務している方を含む派遣登録者全員を対象に受験キャンペーン形式でも提供しています。昨年度までは春と秋の年2回でしたが、今期からは季節ごとに年4回へと拡充し、受験機会を増やしています。
このキャンペーンでの受験結果について、受験者の方が希望した場合にはマイページに「英語スピーキング力」としてレベルを登録しています。語学目標として定期的に受験されている方も一定数いらっしゃいます。
プロゴス社
キャンペーンでの受験率向上のための取り組みなどがあれば教えてください。
赤澤様
PROGOS受験の案内は、派遣登録者向けのメールマガジンや、マイページのお知らせで告知しています。ただPROGOSを受験するだけではなく、今後の英語学習にどう活かすのか、目標設定につなげる機会としても位置付けています。その一環として、プロゴス社のご協力のもと、派遣登録者限定で「ビジネスパーソンに必要な英語力とは」というテーマのセミナーを開催しています。セミナーでは、英語スピーキング力の重要性や、英語学習の目標設定、PROGOSを活用した学習方法などを紹介しており、多くの方に視聴いただいています。
プロゴス社
PROGOS受験を導入したことで、派遣登録者の方からどのような反応がありましたか?
赤澤様
私のチームでは英語を使ったお仕事のご紹介を行っていることもあり、英語のスキルに関する話題が多くなっています。そのため派遣登録者の方と面談をするときに、スピーキング力の測定をおすすめし、PROGOSを個別にご案内することもあります。
派遣登録者の皆さんからは、「これまで英語スピーキング力を確認したことがないのでこの機会に試してみたい」といった前向きな反応をもらうことが多いです。一方で、「テスト結果によって求人の数が変わるのですか?」という質問をいただくこともあります。そのような場合には、「結果にかかわらず、希望や適性に応じてお仕事を紹介しています」とお伝えしています。テストのスコアが高い方には、当社としてさらに自信をもって求人を案内できるため、スキルの可視化は重要です。
また、英語ができる方は仕事で英語を使うことでスキルをさらに磨いていきたいと考えている方が多く、PROGOS受験の提供はその確認に役立っていると感じています。

英語を「話せる」の可視化で推薦の強化
プロゴス社
PROGOSの結果についてはどのように活用していますか?
赤澤様
一例ですが、英語で接客を行う仕事を紹介した際に「海外留学をしていたので、話すことには自信があります」という求職者の方がいました。この方にPROGOSを受けていただき、スピーキングレベルを把握した上で、その結果を踏まえて、求人企業と商談を進めたケースがあります。
企業側の求人には求めている英語力の目安があるので、企業の担当者様に詳細な内容をヒアリングしています。その際、CEFRだと「何ができるのか」が明確に分かりやすいので、PROGOSの結果は企業担当者様との認識を共有する際にも活用しやすいと感じています。
従来は、TOEICなど読み書き重視の資格しか持たれていない方が多く、接客業など「話す力」が求められる場合にはスキルマッチに不安がありました。スピーキング力について、以前は企業から依頼があった際は社内のスタッフが対応して測定していたのですが、PROGOSのように手軽に受けてスキルを把握できるところに価値を感じています。
また、英語についてどの程度の力があるかということがよく分からないとき、共通の目安となるものがあるのは重要だと思っています。PROGOSで測定することで「最低限これくらいできる」ということがイメージしやすくなります。
求職者の方にも受験いただくことで、ご自身のスキルを客観的に把握する機会にもなっており、キャリア形成にも役立っています。
よりよいキャリア形成のためにリスキリングを提供していく
プロゴス社
今後の貴社の方針について教えてください。
小久保様
私たちは人財を必要としている企業様と、仕事を探している求職者の方のどちらも大切なお客様と捉えています。企業に適切な人財をご紹介するためには、派遣登録者ひとりひとりの強みや仕事と働き方に関する優先事項などを把握したうえで、丁寧にマッチングしていくことが重要となります。
英語を使った仕事については、読み書き能力よりも「会話」というコミュニケーション能力が重視される流れがあるので、PROGOSについては前述の通り年2回の受験案内から年4回に増やし、派遣登録者の方が自身のスキルレベルを把握しやすい環境づくりを進めています。
また、派遣登録者の方にとってよりよいキャリア形成につなげるためにも、関係構築を大切にして、リスキリングの価値を継続的に提供していきます。








